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建築士の視点で福祉を考える FUKUSHIBUKAI

活動報告report

(一社)神奈川県建築士会 技術支援委員会 福祉部会活動内容

2/18 専門職連携〜空家再生ワークショップ 
2月18日に開催した研修会に御出席頂いた、介護支援専門員協会三枝様より下記の感想文をご寄稿頂きました。
課題に対し様々な意見を交換する事ができ、改めて他職種の方々との連携の大切さを感いたしました。(熊澤)

ワークショップに参加して
平成29年2月18日、神奈川県建築士会主催、神奈川県介護支援専門員協会・神奈川県理学療法士会・神奈川県作業療法士会の後援で「専門職連携〜空き家再生ワークショップ」が開催されました。
私は介護支援専門員として参加しました。冒頭に基本的な地域包括ケアシステムについて簡単に話しをさせていただきました。
建築士のみなさまはよく勉強され、かつ理解されているようで、逆にもう少し深い話をした方が良かったのではないかと反省しております。研修のテーマ自体が介護支援専門員だけではやることのない内容であり、私にとっても建築士のみなさまと一緒に研修に(今回はファシリテーターとしてでしたが)参加するのは新鮮で、勉強になりました。
実際はデイサービスと居宅介護支援事業に使用された「空き家」がテーマでしたが、グループごと、地域に住んでいる人の時間軸で利用方法を検討したり、家に遊びに行く感覚を大事にしたコンセプトで検討されたりと、建築物を通して地域が元気になる方策、いわゆる地域包括ケアシステムを多職種で考える有意義な時間を過ごしました。
残念ながら日程が介護支援専門員が受講しなければならない法定研修関係と重なってしまったため、介護支援専門員の参加が少なくなってしまったことは反省として残りますが、建築士会様との専門職連携の研修は継続していただきたく思います。ありがとうございました。(寄稿:神奈川県介護支援専門員協会 理事 三枝公一氏)
                

11/12 リハビリ専門職の視点から学ぶ住環境整備のヒント〜 福祉用具や補装具の実体験をしたことありますか?
と題されたに福祉部会研修会に参加しました。厚木市七沢にある神奈川県総合リハビリテーションセンターでの開催でした。
体験型研修という事で@下肢装具を付けての歩行体験A車椅子に乗った移動体験Bリフトを使ったベッドへの移乗体験の3つのコースを3班に分かれて体験しました。
私たちの班は車椅子体験からでした。78pの廊下を90°曲がり、その先にある90°に曲がる78pの出入口に入る平面移動の体験。そして勾配が1/8と1/6の坂を上り下りする体験。両手両足が使える状態では平面移動は難なくこなせ、坂はとてもきつく苦しみましたがどうにかクリアー出来ました。しかし、半身麻痺という設定で片手・片足のみでの車椅子移動では平面移動はどうにか出来ましたが、坂の上り下りは出来ませんでした。半身麻痺の方が移動する事にどれだ辛い思いをされているのかがとてもよく分かりました。
次にリフトを使って椅子からベッドへの移乗体験。二人が介護者と要介護者になって体験しました。網状の装具を要介護者の体にセットし、リフトに要介護者を固定・吊り上げ、ベッドへの移動そして吊り下げ・装具外しの行程です。慣れないせいもありますが、もどかしさを感じました。移乗はベッドだけではなく浴室や他の場所もあるでしょう。そして一日の中で何度この行為を行うのか。このことが1年365日続くことに何かを感じずにはいられませんでした。
最後に下肢装具を付けた歩行体験。片足に下肢装具を付け、膝が曲がらないように固定しての歩行。講師より正しい歩き方を教わり杖をついて歩きましたが、歩き辛く、階段の上り下りにも難儀しました。また、ネームホルダーを吊り下げるストラップを首に吊り下げ、ズボンのベルトに固定、常時腰を曲げた状態での歩行。ご高齢の方に多く見られる姿ですが、いざ自分がその状態になるときつくて辛くて歩行する大変さがとてもよく分かりました。         今回の体験型研修を受けて身体が健康であることがいかに幸せかを感じました。そして、設計をするときの姿勢として頭のみで考えるのではなく、体で感じて設計をするということの大切さを今回の研修で再認識しました。
(澤田氏より寄稿)


9/10 第1回見学会〜サービス付き高齢者向け住宅〜「ココファン横浜鶴見」に参加(平成28年)

これに先立つ8月18日に事前勉強会がありました。略称「サ高住」は、高齢者世帯が安心できる住まいの供給を目指して平成23年に登場しました。行政による登録、面積及び設備要件、バリアフリー化の義務付けがありますが、提供すべきサービスは安否確認と生活相談のみで、その他は事業者に委ねられています。このため、事業者によって提供されるサービスは千差万別で、利用者の選択肢が多くなる一方、費用も含め自身のニーズを正しく見極める必要があります。また、戸数は急増しても制度が目指すものと異なる実態があるようです。以上の予備知識を得て見学に臨みます。
当日は、運営事業者である、(株)学研ココファンの斉藤所長さんに概要説明と施設の案内を頂きました。
この施設は、横浜市が整備する「よこはま多世代・地域交流型住宅」のモデル第一号で、「サ高住」の介護型は低層階に、自立型は一般世帯向け賃貸住宅と混在させて高層階に配置したのが特徴です。また建物内には、デイサービス、診療所、調剤薬局、コンビニ等が入居し、交流スペースは地域コミュニティ活動の拠点として一般開放や会議室等の貸出しをしており、高齢者が施設内外の多世代と交流しながら日常生活を営むことができる環境が用意されています。
質疑応答は、ビジネスモデルとしての課題や入居者の利用状況以外に、利用料の内訳や具体的なサービスの内容など「いずれは我がこと」的なものも含め大変活発に行われ、斉藤所長には真摯かつ丁寧にご回答いただき一同感謝いたしました。                                      (小寺亮氏より寄稿)


9/11 「車いすについての学習と体験会」に参加して(平成22年)
                            
横浜市総合リハビリテーションセンターで行われた体験会に参加させて頂き、電動式も含め色々なタイプの車いすに試乗する事が出来ました。
率直な感想としては、「乗って見なければ分からない」という事です。
車いすは電動式、自走式の標準タイプ、介護用タイプ、6輪式、スポーツタイプ、リクライニング式等色々なタイプがあり、それぞれに特徴がありました。
最初に標準タイプに乗らせて頂き、屋外のスロープ、歩道に行きましたが、なかなか真直ぐに進みません。歩道に水勾配がある、左右の手の力のバランスが悪い等が原因でした。
また、スロープは1/12程度でも登るのには力が要りますし、下りはブレーキを掛けながら下りなければ思った以上にスピードが出て、強く握り過ぎると車輪がロックします。
次に室内に入り、狭い通路、段差を体験しました。車いすは幅600mm程度ですが、当然の事ながら腕の方が外に出ますので有効幅約800mmで一杯で、直角に曲がるのは至難の業です。段差は20mmで簡単に上がれません。上がるためには、前輪を浮かせるウイリーという技が必要です。前輪さえ段の上に乗せられれば主車輪も上がりました。車いすの方が後ろ向きで段差を越える時があるのはこの為だそうです。但し前輪を上げた時、体重が後ろに行き過ぎると車いすは後方に簡単に転倒しました。
電動式は1本のレバーで前後左右に移動させるので、微妙な操作が必要で慣れるのにはかなり時間が掛かるだろうと思いました。
試乗して見て、車椅子を乗りこなすのには今回の体験だけでは分からない、色々なご苦労があるだろうと感じました。
現在様々な施設でバリアフリーが要求され、今後はさらなる配慮が必要になってくると思います。今回の体験を今後の設計活動の中に生かし、より「人にやさしい」建物を設計して行きたいと思います。
   
(記:熊澤 徹)





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