WES News 49 2010年 3月31日

『残したい!伝えたい!!』
~歴史的建造物を後世に~

女性委員長 広岡 まり

平成22年3月14日(日)午後1時から、横浜市開港記念会館講堂にて、第7回神奈川県建築士会活動交流会を開催し、基調講演、活動発表、パネルディスカッションにより、歴史的建造物の保全活用に関する取組みとご意見を、ご講演者等から伺いました。 今回は、県庁職域支部、技術支援委員会、女性委員会、青年委員会の1支部3委員会が連携して企画・運営にあたりました。
多数の参加がありました県庁職域支部会員による
レポートです。

▼会場:横浜市開港記念会館

■第1部 基調講演 「まちづくりは、人づくり」
県庁職域支部  関根 郷史

第1部は「まちづくりは、人づくり」というテーマで、神奈川大学名誉教授の西和夫先生による基調講演がありました。
最初に西研究室が関わった全国7カ所のまちづくりの事例紹介があり、そのうち2カ所について地元と協働で 「町づくり研究所」を設立したという話がありました。まちづくりを動かす人たちということで、 NPO、商工会議所、建築士会、町の有志、行政等の様々な主体の事例をお話し頂いて、行政はあまり表に出ると失敗するので、 人づくり等のバックアップを行うといいというお話がありました。これは我々行政職員にとって多少耳の痛い話でしたが、 やはり地元が主体的に関わらないとまちづくりは進まないと言われているのではないかと、理解しました。

▼講演中の西先生

■第2部 活動発表 
歴史的建造物保全活用に関する多彩な活動
県庁職域支部  川島 孝之

5名から活動報告があり、その概要を記します。柿本さんの活動事例は、子供たちが土壁塗り、土間たたき体験を通して 職人への敬意や材料の固さの違いを実感しました。
佐藤さんは、旧モーガン邸を二度の被災を超え再生するためオレンジ瓦プロジェクトとして協力を呼びかけました。
片貝さんは、解体された音羽楼に接する参道を地域資源として開発者に提案し、景観・緑を守りました。
菅さんは、鎌倉歴史的資産調査会で、近代建造物、約1400棟をリストアップし、 それを残していく活動(邸園再生相談事業)を紹介されました。
島田さんは、YYJKによる洋館付き住宅の調査、実測、改修調査、登録有形文化財の登録と 「建物を生かし、文化を生かす」取組を紹介されました。

▼県庁職域支部による楽しいオープニング

■第3部 パネルディスカッション

第3部は、工学院大学教授 後藤治氏をコディネーターに、(社)静岡県建築士会 景観整備機構副代表 塩見寛氏、市民が創る秦野のまち代表/秦野市景観まちづくり市民会議会長 福田省三氏、 神奈川県建築士会スクランブル調査隊部会長森山恒夫氏の3名をパネラーとしたパネルディスカッションを行いました。

「歴史的建造物の保全活用の担い手」
県庁職域支部  山田 満 

当日、(社)静岡県建築士会から出席された塩見さんのお話が印象に残りました。本県でもスクランブル調査隊の活動など 歴史的建造物の保全活用に積極的に取り組んでいるとの自負がありましたが、静岡県では、さらに一歩踏み込んで 景観法に基づく景観整備機構として活動しているとのことです。
全国の整備機構の半数以上が建築士会であり、多様な専門家集団である建築士会こそ整備機構にふさわしい、 建築士会が法律行為を行える画期的制度であるとのお話にとても感銘しました。
また、静岡県職員でもある塩見さんは、教育委員会と協働して、建物保全専門家の育成にも取り組んでいるとのことで、 同じ立場の私達にとっても参考となるお話であり、あらためて頑張らなければいけないと思いました。

▼講堂にて参加者による記念撮影

第3部終了後、別室にて懇親会を行いました。会場の規定により飲酒が禁止されていたことから、開港記念会館という歴史的建築物の 雰囲気を生かし、サンドイッチ・クッキー・カナッペと、コーヒーメーカーで入れたホットコーヒーによる懇親会といたしました。
クッキーは、青年委員の山田夏江さんの手作り、カナッペは懇親会担当スタッフが懇親会開始直前まで、色とりどりに盛り付けた力作です。
女性委員水澤さん、青年委員伊東さんの司会進行で、第1部~第3部でご講演等をいただいた方にコメントいただくとともに、 県庁職域支部の紹介、新しくなるCPD制度の説明も行いました。
用意したクッキーやカナッペはひとつ残らず御賞味いただき、ご講演等をいただい方々と、また、 会員同士が和やかに懇親を深め、5時間半にわたる交流会は閉会いたしました。(広岡)

▼和やかな懇親会

女性委員会 平成21年度の主な活動

7月17日~18日 平成21年度全国女性建築士連絡協議会(長野大会)
9月18日 平成21年度第1回関東甲信越建築士会ブロック会女性建築士協議会議
9月19日 『江の島へ行こう!』~江の島の景観まちづくりを見て考える~
10月16日 第52回建築士会全国大会(山形大会)
10月   WESニュース48号発行
1月15日 『契約約款などの勉強会』
3月14日 第7回神奈川県建築士会活動交流会
3月30日 平成21年度第2回関東甲信越建築士会ブロック会女性建築士協議会
3月 WESニュース49号発行

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青 年 委 員 会 だ よ り №10

スキルアップセミナー『エネルギーをつかう家から、つくる家へ』
~これからの建築におけるエネルギー対策は
省エネ・低炭素 両面利用へ挑戦~

▼セミナー会場にて

平成22年2月24日(水)、横浜市開港記念会館6号室にて青年委員会主催、 スキルアップセミナー「エネルギーをつかう家から、つくる家へ」を開催しました。
地球温暖化の危機が叫ばれている今、できるだけ環境に優しい暮らしをしたい。誰もが皆、同じ気持ちだと思います。 一方で快適な豊かな暮らしを望んでいるのも真実です。今までは、省エネを実行する事は快適さを我慢する事でした。
しかし、これからは「快適性と省エネの両立を実現する暮らし」の時代だと思います。 その解決策の一つとして注目を集めている燃料電池について家庭用燃料電池を最も販売している東京ガス㈱にご協力頂き、 セミナーを開催しました。
太陽光発電=オール電化にしないといけないという概念。目から鱗で、実は太陽光発電とガスは相性が良いという真実、 皆様はご存知でしたか?
平日の夜のセミナーに関わらず、沢山の方にお越し頂き嬉しく思います。燃料電池の模型(ビーカー)、 実は東京ガスでも2台くらいしかない貴重な品。
最後に活発な意見が多数飛び出すなど、盛り上がりました。 セミナーが歴史ある横浜市開港記念会館で開催され、ライトアップされた建築を見る事が出来、 すばらしい貴重な体験をしました。(青年委員:山田夏江)

『平成22年度関ブロ茨城大会』開催のお知らせ
「あなたも若手建築士の融合に参加してみませんか!?」

「平成22年度関東甲信越建築士会ブロック会青年
建築士協議会茨城大会」(研修会)について
◆開催日:平成22年6月25日(金)・26日(土)
◆会 場:水戸プラザホテル
◆大会テーマ『 融合 ―青年建築士のフュージョン―』
人とのつながりが薄れてきている昨今、私達青年建築士はさらなる飛躍の為に様々な分野の青年と 「融合」する必要があるのではないのでしょうか。 今回の関ブロ大会は、各都県の建築士会会員だけでなく、 他団体・一般市民と融合し、私達も日頃の考え方を改める必要があるのかもしれません。
【大会概要】
◇第一分科会「各都県活動発表会」
◇第二分科会「設計コンペ報告及びパネルディスカッション」
◇第三分科会「全国一斉運動」についてWS
◇第四分科会「夢をかたちに!(ガンダム立つ)」
毎年、関東甲信越地域の青年建築士が500名集まる研修会です。
同世代の会員と語り交流を深め、今後の活動の為にも、是非、ご参加ください。

平成21年度 青年委員会 主な活動

■委員会構成 (担当常任理事:雨森隆子)
■委員長:金子成司、副委員長:池田誠之、委員15名 
■委員会・WG((基本的に)士会会議室18:30~)(基本的に)毎月第2水曜日
□ 6月 関ブロ埼玉大会(さいたま新都心)
□10月 連合会全国大会(山形大会)同青年フォーラム(山形)
□ 2月 スキルアップセミナー
□ 3月 (社)神奈川県建築士会活動交流会(準備段階より企画運営)
□他、建築士試験監理員業務に協力参加

引き続き、一緒に活動できる委員を募集しています。同世代の建築士とセミナー・研修など一緒に参加してしてみませんか。 詳しくは委員会Webサイト
検索
(社)神奈川県建築士会→支部委員会情報→青年委員会

技術支援委員会
最近の活動から

建築環境部会の活動
部会長  福岡 真木子

建築環境部会では、今年度は「木造塾」4回、神奈川県産材関連の見学会を1回、コージェネレーション関連見学会を1回、 森林循環フェアなどのイベントに3回参加しました。
今年度は、木造塾もさらに充実し、日本建築士会連合会会長の藤本 昌也氏に、講習していただきました。 今回はご紹介できませんが、他の講習会も、とても興味深い、実践に役立つものばかりでした。詳しくは建築環境部会のHPをご覧ください。 http://www.kanagawa-kentikusikai.com/iinkai/gijutsu/kankyou
また、今までは講習会などを企画、運営することが多かった部会ですが、今年度は他団体からの要請もあり、 森林循環フェアだけでなく、平成22年2月9日「エコライフ技術展」、3月13日14日に 「水源の恵み(みずの森)フェスタ2010」というイベントにエコ建築エコリフォームの住宅相談として参加しました。

▼写真は2月9日「エコライフ技術展」横浜そごう入り口付近

今後も、建築環境部会では、一般の市民のかた向けに、私たちの研鑽してきた知識や経験を生かしていけたらと考えております。 また、来年度も「木造塾」を開催しますし、各種見学会も予定しています。 HPや会報「建築士」に情報が掲載されますので、どうぞご参加ください。

福祉部会の活動
部会長  下村 旭 

福祉部会の今年度最後の研修会として3月27日(土)に横浜市総合リハビリテーションセンターにおいて 「介護保険等法制度と住環境整備再入門」を開催しました。
平成18年の介護保険法改正時に研修会を開催しましたが、その後少しずつ改正があったり、 介護保険福祉用具個別援助計画書といった新たな動きが出てきたりして、改めて勉強するという意味で再入門としました。 当日は障害者運動施設の横浜ラポールの見学も行い、約25名の参加者があり大変充実した一日となりました。
介護保険における住宅改修等の様々な課題は建築士としても真摯に向き合うべきことばかりで、 今回のような研修会は定期的に開催していきたいと考えております。

▼※写真は2月20日開催「疾患及び障害の特性それらをふまえた住環境について」の模様

ところで3月13日に札幌市の認知症高齢者グループホームで火災事故が発生、 非常に残念なことに7名の高齢者がお亡くなりになりました。
折しも横浜市では「小規模社会福祉施設の防火安全指針(案)」の策定が進められていて、 福祉部会でもいくつかの意見を取りまとめて提出したときでした。
このような施設では徘徊で所在不明になることを防止するため外側から施錠することがあり、 これは避難の問題だけではなく身体拘束にも当たるため、非常時の自動解錠の他、適切な施設運営を検討する必要があると常々考えていました。
札幌の場合は重度の入所者で避難方法に違う意味での検討が必要と感じましたが、施設を作る担い手として、 より安全な箱を提供できるようにしたく思っています。
以上のことを踏まえつつ、来年度もまた多様な研修会を企画し、様々な団体や専門職の方々と連携した事業を計画したいと思っております。 さらには特別養護老人ホームや来年度竣工予定の盲・ろう部門併設の特別支援学校の見学なども行いたいと考えています。 そして昨年度盛況だった学生とのコラボレーション企画「車椅子体験研修会」も開催の予定です。
これからも内容充実を図り、ますます成長していく福祉部会をなにとぞよろしくお願いいたします。 

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子どもの生活環境部会
授業支援を企画して
部会員  関口 佐代子

今年1月、川崎市立宮前平小学校6年生へ向けて授業支援活動を行いました。 家庭科の住まいの学習から図工科の家の工作へ発展させるというもので、 約半年前の授業企画の段階から子ども部会として関わり、先生と一緒に内容を詰めて来ました。
実際の授業では、この単元全体6時間のうち、最初の導入部分1、2時間目と、最後の作品発表の6時間目の3時間を3クラス、 延べ9時間に子ども部会メンバーがスタッフとして参加しました。
導入では、先生から家庭科 「快適な住まい」についての授業があった後、子ども部会のスタッフから「建築士からのお話」として、『家をつくる時に考えること』 という紙芝居をしました。

家庭科の学習内容に沿って「明るさ、風通し、暖かさや涼しさ」等を中心に、 実際に建てる時に守らなければいけない決まりを説明し、その他に防火やバリアフリーなどにも触れてお話しました。
そして、快適な住まいとして採光や通風、温度に対する工夫や自分なりのアイデアを盛り込んで設計図を考え、いよいよ家の模型製作に入りました。 模型は家型のケーキ箱を使用し、工作紙や子ども達が自分で用意した空き箱、 布などを用いて作成しました。敷地用紙と家具の見本を印刷した用紙は子ども部会から配布し、 スケールやモジュールなどにも触れながら、それぞれがアイデア満載の個性的な家を完成することができました。
まとめの資料として、快適な住まいの工夫の例や、世界の家の工夫、家をつくる時のまちのきまりなどを紹介した物を作成、 住まいの模型作りをきっかけに様々な事に目を向けてもらえたら、という願いを込めて、授業後に子ども達に配布しました。

スクランブル調査隊
21年度の活動を振り返って
隊長  森山 恒夫

21年3月、立て続けに不審火による事件が発生。その慌ただしさを引きずって新年度を迎えました。 焼損調査や打ち合わせに時間を割く日が続きます。
文化財建造物等の緊急的安全対策に関する要望書が、 士会を含む県内の主だった組織から、当時の麻生総理、文化庁長官、知事、市長、警察本部長へ送られ、この時に、 防災シンポジウムを開くことが関係者の間で決まりました。
神奈川県が主催した「邸園(歴史的建造物) 保全活用推進員養成講座」(通称:ヘリテージマネージャー制度)の番外編として、 8月30日平塚市の旧横浜ゴム平塚製造所記念館で防災シンポジウム「文化遺産・湘南の邸園を火災から守る」が開催されました。 今日までの報道などの情報からは、文化財を放火から守るという意識は僅かずつ進捗しているように感じますが、行政は、 近隣住民の安全の為にも、防犯カメラや放水銃・スプリンクラーなどの設置に積極的に関わらないといけないのではないでしょうか。
不審火への警鐘は、モーガン邸から発せられ、全国で同じような被害を受けている重要な建物が悲鳴をあげています。 スクランブル調査隊は、身近なところから復元を目指してコツコツと活動を継続しています。
建物の維持保全には、 数か所の歴史的建造物と継続して関わっています。T邸は昨年9月に登録有形文化財へ登録の申請をしました。建物の存続に関わり、 S邸は間近に迫る相続への対応と建物の維持管理に、もう一つのS邸も快適に住み続けるための改修工事に関わることになりそうです。 小田原のS邸は大隈重信が建てたとされる建物ですが、我々にできることを探っています。
さて、横須賀探検第4弾が5月15日に決まりました。 近代化遺産「浦賀ドック」を探訪します。 横須賀は、日本近代化の基盤となった技術遺産の宝庫です。なかでも煉瓦造のドライドックは、国内では浦賀にしか現存しません。 浦賀ドックと町並みを探検し、近代化遺産の現状と展望、及び町づくりについての見識を深めたいと思います。ふるってご参加ください。

▼浦賀ドック

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★WES★フォーラム

第19回まちづくり会議に参加して
~そう!やるしかない!~
芝 京子

例年1月の最終 金、土曜日は、(社)日本建築士連合会まちづくり委員会主催のまちづくり会議が開催されます。 今年も、晴海トリトンスクエア・東京建築士会で104名の出席にて行われました。 私は7年前より、参加させていただいておりますが昨年は小田原地方支部にて交流会が開催されたためやむなく欠席しました。 まちづくりに秀でた皆様方(私はまだまだ勉強不足です)と一緒に二日間、事例発表あり、 ワークショップあり、大変刺激を受けるとともに、楽しみにしている会議でもあります。
今回は、「第6回まちづくり公開選考会&ワークショップ」全国単位会から48事例公募の中、第1次ですでに11事例が選ばれており、 各候補者から10分程度のプレゼンテーション、選考委員からの質問、ディスカッション等を経て投票により、 大賞には(社)京町家作事組、優秀賞には(社)福井建築士会南越支部「武生・歴史や文化を活かしたまちづくり」と、 大阪 からほり倶楽部「まちの資源再生とその活性」が選ばれました。いずれも甲乙付けがたい地域貢献活動です。 まちづくりという大きなくくりの中に、歴史的建築・景観・地産地消・環境・地域の歴史文化・次世代を担う子供たちへの 建築教育・登録文化財の文化的活用等、切り口が非常に多く、私達の生活するありとあらゆる場面がそれぞれの まちづくりの要因となっているということでしょう。
さて、翌日は、まちづくり賞受賞者と語る「持続するまちづくりの秘訣」と題してグループにてまちづくりの悩みを出し合い、 受賞者から悩み、まちづくりの変換点、持続のコツなどをお話いただき、それらをモデルとして自分たちの解決策を探るその様な ワークショップを行いました。午後には、各都道府県建築士会の全国まちづくり委員長会議(47名出席)、 昨年の全国大会山形大会及びすまいまちづくり担い手事業の支援対象団体決定 景観整備機構の指定状況(建築士会)等の報告と 今後のまちづくり事業の展望の意見交換で二日間の全国まちづくり会議は終了いたしました。まちづくりに関して熱い思いの出席者ばかりです。 人・物・金 毎回、この三文字が悩みとして発言されますが、やれば出来る! やるしかない!!と私はいつも自分の心に言い聞かせて活動しておりますが、私だけではなく、出席者全員の気持ちのようです。 年に一度のこの会議、様々な活動を知り、いろいろなマンパワーを感じ、心改まる気持ちになります。
そう!やるしかない!

ニッポンの建築素材
~北海道から沖縄まで日本素材地図~
大川 友理枝

この度連合会女性委員会から、守り伝えたい身近な素材を副題に「ニッポンの建築素材」が出版されました。 全国の女性委員会(部会)の活動は身近なテーマで、それが継続している事が特徴と言えると思うのです。 全建女の分科会はその年のテーマの分科会を1つ持ちますが、後は継続されている分科会です。 出席される方も毎年同じ分科会に関心をもたれて出席されている方が多いようです。 そんな中、C分科会では健康住宅からシックハウスや素材関連のテーマで毎年積極的に意見交換が行われていました。 それをうけて全建女の香川・青森会場で「素材について」のアンケートを試みました。北海道から沖縄まで皆さんの協力で 立派な日本素材地図が出来上がりました。反響は大きく、これを冊子にして活用したいという要望が出ました。 そして実現したのが、「ニッポンの建築素材」です。帯の全国の女性建築士が総力を挙げて調査とは少し大げさですが、 是非 自分たちの活動の一部と思ってお読みください。17年から20年まで連合会女性委員会の副委員長を務めてさせて頂いた時に アンケート実施をした御縁で私も編集に加わらせて頂きました。ところで、関東甲信越ブロック会女性建築士協議会立ち上げのメンバーが 中心に各県持ち回りで、楽しい時を過ごしましょうと関ブロOG会があります。昨年は神奈川が当番県で、皆さんに横浜に来て頂きました。 シーバスに乗船・中華料理・ワインパーティ・温泉(万葉の湯)・歴史的建造物の見学・山手の庭園を見ながら昼食。 「楽しいひと時でしたよ」と喜んで頂けたようでホッとしました。
協力頂いた神奈川士会の皆さんに感謝申し上げます。

平成22年全国女性建築士連絡協議会のお知らせ
平成22年7月16日(金)~17日(土)
開催地は東京です。ふるってご参加ください。

情報広報委員会編集協力
支 部 ・ 委 員 会 だ よ り №4

小田原地方支部の活動から
耐震診断巡回相談を実施
嶋津 正道

昨年より、小田原市「木造住宅巡回無料耐震診断」の巡回相談窓口に支部会員を2名派遣し、建築指導課職員と共に、 昭和56年5月31日以前に建てられた木造住宅を対象として簡易的な耐震診断を実施し、そのあと「一般耐震診断」 「耐震改修工事」の補助事業に関するご案内をおこなっております。2月末現在7回行い、相談件数は200件をこえ、 市民の皆様が我が家の耐震性に深い関心を持っておられる事を改めて痛感しています。小田原市内の木造住宅の約17,500戸は耐震性に乏しいと 推計されており、被害を最小限に留め市民の生命と財産を守る為にも、引き続き巡回相談を実施し、支部としても協力して行きたいと思います。

湘南支部の活動から
新年交流会と英勝寺山門見学会
支部長 丹治 一郎

1月29日に会員相互の親睦を主とした新年交流会を開催しました。 前半は「湘南における邸園文化再生の試み」と題して関東学院大学の水沼淑子教授による、 湘南の別荘を発端とした邸園文化という新しいネーミングの考え方や現存する建物の後世への継承等についての講演会を開催しました。 ソフトな語り口は会員の向学と啓発の場となったようです。 2月6日には英勝寺山門復原工事見学会の二回目を

開催しました。4年間に渉る復原工事の施工中で、前回(h21.2.7)の基壇部分の見学会以降に進捗した上棟後の工事工程を見学しました。 施工者による説明を受けながら社寺建築にかかる伝統工法等の一部を見聞できる好機で、完成は22年12月の予定です。 来る6月12日(土)に地引網大会を開催します。湘南支部等の三者共催による恒例行事で毎回、好評を得ています。 他支部会員の参加も可能です。詳細は支部のHP等に掲載いたしますので、ご参加ください。

横須賀支部の活動から
第62回横須賀市民文化祭「建築展」に参加
総務委員長 加藤 雄治

横須賀支部では横須賀市民文化祭の行事の一環として建築展を1年おきに開催しています。 毎回必ずテーマを設けており、今回のテーマは「三浦半島周辺地域の今と昔」支部会員の住まいや勤め先などを中心に 会員自身が調査、取材し建築物を中心とした町並みの変遷、今昔写真、資料などの展示をおこないました。 建築士会の活動内容などのPRや本会各委員会などのパネル展示も合わせておこないました。テーマは田中新支部長による提案で 準備作業には時間がかかり大変な作業となりましたが、 会員相互の協力により結束力が更に深まったと実感しております。 また企画も大変好評だったようで町並みの移り変わりに思いを馳せ、熱心に見入っておられる来場者が多く見られ 5日間の開催で延べ617名の来場者数がありました。

相模原支部の活動から
政令指定都市~地域に密着した支部に~
内沼 良和

相模原市は平成22年4月より政令指定都市になります。それに伴い中央区、南区、緑区となり区政を布くことになります。 円熟した都市として活躍していきます。相模原支部でも耐震委員会として行政と関わりを持ち、 また相模原文化協会に所属し市民との交流をはかり地域で活躍している建築士の方に情報提供をし市民と共に歩んでいきたいと願っています。
今後、法改正、耐震、ヘリテージ等セミナーを順次開催し、建築士の意識向上、技術向上と課題は多いのですが 本部や各支部との連携があればさらに向上していくと信じております。

教育講習委員会の活動から
□い講習会を○い頭で
副委員長 高橋 秀行

教育講習委員会……申し訳ないほど堅い名前。しかし、この委員会が大切なのです。 2010年が明け、会報「建築士」では「還暦を迎えた建築士法」の連載がなされ、新聞紙面では、厳格化した建築基準法の見直し論争が始まり、TV画面では地震や環境破壊が報道され、世の中エコだらけ。 そしてゆらぐ経済。その中で、法令・技術・倫理・紛争・見学会と、私達のやるべき事は山ほどあります。 その取り組みとして、1月の初めのプロジェクトは、ワンコインセミナ-「地盤・土質についての基礎知識」。  地盤のプロが培ってきたノウハウを、小規模建築を中心とした地盤に絞って伝授する少人数制の講習会は、12月まで毎月続きます。 2月上旬は、神奈川県知事指定「建築士法第22条の4に基づく すべての建築士のための特別総合研修(旧指定講習会)」の1日講習会。 4人の講師により、法制度・環境エネルギ-・戸建住宅・集合住宅について、熱の入った講義をして頂きました。2月下旬は、今期2回目の「平成21年度第四期 一級・二級・木造建築士定期講習」の1日講習会。修了 考査まで気の抜けない熱気に包まれた会場は途中退場者を出しません。まだ受講されていない会員は早めの受講をお勧めします。 3月は委員会企画「改正工事請負契約約款・建築設計監理等業務委託契約約款の解説」半日講習会。テキストは改正契約書関係書類そのものを使用し、おなじ みの東京地方裁判所専門委員の2人の講師を迎え、分かりやすい講義となりました。ほとんど質疑時間がとれずにあっという間に時がたってしまいました。 皆様には、感想文を当日のお願いにもかかわらずご協力くださり感謝します。堅い名前の講習会を、頭を柔らかくしてご参加お願い致します。
尚、教育講習委員会では、委員会活動をHPに活動報告として掲載しております。

▼定期講習のようす

『編集後記』

今期1年振り返って、様々なイベントがありました。
共通するのは建物を・・・建物の歴史を大切にする想いです。その想い・情熱を皆さんお持ちで私は嬉しくなりました。 様々な場面で建築を愛する人たちのこのような想いを建築士の卵である若い世代に伝えられたらなと思います。
最後になりますけれど、来期も色んなイベントがあります。
“楽しかった”と思えるようなイベントを建築士会の皆様と作っていきたいですね。(佐藤 ユリ)

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