木造2階建(法第6条1項第4号建築物)住宅の建築確認申請等の解説

日時:平成20年1月22日(火)午後1時20分〜4時40分
場所:神奈川県建設会館2階講堂

【 質問に対する回答 】


Q1 完了検査の場合は計画変更の確認申請を行なうことはできません。検査の結果、変更が必要な場合は建物を壊して作り直しとなるのですか?
A1 完了検査後の計画変更の確認申請は法制度上行なうことはできないこととなっています。完了検査の結果、軽微な変更に該当しない部分がある場合は建築主事及び指定確認検査機関(以下「建築主事等」という。)から「検査済証を交付できない旨の通知(期限付き)」により、追加説明書が求められ建築主事等はこれを申請書等とみなして、関係規定の適合性を審査し再度検査することとなります。一方、完了検査申請を取り下げ計画変更の確認申請を行なったうえで、再度、完了検査を受けることも法制度上は可能ですので具体的事例を含め、建築主事等と協議をお願いたします。

Q2 立面図の記載内容で給気口の高さが記入されておりますが、RCの場合鉄筋等にあたり図面通りの高さにならない場合が多いのですが、その場合軽微な変更でよいのでしょうか?
A2 軽微な変更については、建築基準法施行規則第3条の2に規定されています。なお、給気口の位置の変更については規定が設けられていませんが、構造耐力上支障がない範囲で関係規定に適合している位置変更については軽微な変更として扱うことができると考えています。

Q3 テキストP217、NO174について、テキスト前ペ−ジの技術的助言と矛盾があるが追加説明書ということで、計画変更の申請ではないのでOKと言うことでしょうか?
A3 テキスト217頁NO174は完了検査を対象としています。Q1で回答しましたとおり追加説明書により関係規定に適合していることが確認できれば検査済証を交付することとなります。

Q4 道路斜線等の図面表現に関して上記のような場合、民間審査機関で道路斜線が立面図等の作図上、1.25:1にならないので、道路斜線が作図上1.25:1になるよう、斜めから見た立面図(または断面図)を描いてくださいといわれましたが、上記の図では不可なのでしょうか?
A4 建築基準法施行規則第1条の3 第1項 表2(二十九)に基づき、配置図及び断面図等に所要の明示すべき事項が示されており、その内容により法56条等への適合性が確認できれば図書としては適切であると思われます。また、規則第1条の3第6項によりその他の図書(断面図や構造詳細図等)にその内容が明示されていれば良いことになっています。ただし、当該図書によって法適合性が確認できないと建築主事等が判断した場合は、追加説明書の提出を求められることとなります。

Q5 1.窓の追加は軽微な変更になりますか?
2.筋かいの位置変更は?
Q5 1.規則第3条の2の規定により判断することとなります。木造2階建の4号建築物であれば、同条第1項第11号イについては法第28条の確認の特例により審査対象から 外れているため変更確認の対象とはなりません。また、同号ロから当該開口部が法の規定により防火設備の設置義務が生じる開口部であれば、その開口部の法適合性について新たに建築主事等に確認を受ける必要があるため、変更確認申請が必要となります。その開口部に防火設備の要求がない場合は、軽微な変更になります。
2.軽微な変更に該当します。テキスト4頁NO112を参照してください。

Q6 適合性判定について、神奈川県下のある自治体に事前相談に行ったところ、地下車庫と木造2階建ての住宅の基礎の部分を鉄筋コンクリート造で一体で設計した場合は、対象建築物になる可能性ありと指摘があったのですが、法第20条〜国交告第593号の「木造と鉄筋コンクリート造の構造を併用する建築物」でイ)において1階が木造となるので該当しないと考えてよいと思うのだがどうか。あるいは、1階が木造だと該当してしまうのかどうか。イ)の解釈について具体的に教えて欲しい。
A6 「木造と鉄筋コンクリート構造を併用する建築物については、国土交通省告示第593号第三号及び第四号に規定されています。
なお、御質問の内容だけでは、計画中の建築物が適合判定を要するものかどうか判断できないため、具体的計画により事前に建築主事等に確認をお願いします。

Q7 上記の図の様に娘夫婦宅に母親住居の増新築を計画している。この場合、娘夫婦宅(既存建物)が既存不適格の建築物となっている場合、どこまで現基準法に適合するようにしなければならないのか。
A7 既存不適格建築物に対する法の遡及適用については、法第3条及び法第86条の7に基づき、各規定ごとに遡及内容が異なります。個別の物件については、申請を提出される先の各建築主事等にお問い合わせください。

Q8 4号特例処置の廃止が本年末に施行予定と専門情報誌で拝見したのですが、次期が迫れば追加書籍の出版、講習会の開催を行なっていただけるのでしょうか。現時点で廃止になった場合、提出書類等教えてください。
A8 国からは確認申請の特例措置については、改正建築士法が施行される本年12月に合わせ特例を撤廃する予定と説明を受けていましたが、廃止による新たな審査等を増やすことによる混乱を防ぐため、建築業界や設計者への周知を徹底した上で改めて導入時期を平成21年以降に先送りすると聞いています。
書籍の出版については不明ですが、講習会は開催したいと考えています。
なお、特例措置が廃止になった場合の図書は、施行規則第1条の3表1(は)項に規定する、基礎伏図、各階床伏図、小屋伏図等が必要になります。

Q9 テキストp.112委任状の委任者が建築主と異なるのは何か意味がありますか?配偶者なら委任者と建築主が違っていてもokということですか?
A9 申請者と委任者は同一である必要があります。申請書の受理時に委任状と申請書の照合が行われ、整合が取れないと受理できないこととなります。出版元の誤植と思われ、今後、正誤訂正が出される見込みです。

Q10 一般的な木造2階建ての増築(申請必要物件)について質問 増築時に既存部分に対しても、基準法の対象となると考えるが、申請時に既存部分の構造、仕様などを証明するものとして何が必要か。例えば、
@検査済証があれば良い
A検査済証がなくても、図面があれば良い
B検査済証がなくても図面と写真(施工時)があれば良い
C検査済証があり、図面、写真も揃っている
D確認申請書と図面があれば良い
E確認申請書と図面、写真があれば良い
(一昨年、横浜市において、検査済証と図面が揃っていても、確認申請は取れたが、写真(既存建物施工時)がないため、竣工検査を受けられなかったことがある。)
A10 申請に必要な添付図書については、規則第1条の3 第1項表2(六十三)により、法第86条の7の適用を受ける建築物であれば、各欄を参照してください。また、個別の物件については、申請を提出される先の各建築主事等にお問い合わせください。

Q11 @複数の建築士で設計した場合に図面押印はその対象図面でよいか。
A道路斜線等は軒先でなく樋先端ではと思いますがいかがでしょうか。
BホームEV等の申請はどのようにすればよいですか。
A11 @建築士法第2条第5項によれば、設計とはその者の責任において設計図書を作成することとあり、御質問のケースでは各建築士の責任において作成された各図面にそれぞれ記名押印をする必要があります。(建築行政情報センタ−のHP改正建築基準法質疑・応答・一覧タイプ12頁No.129参照)
A最も厳しい部分での検討が必要です。樋の取り付け位置によっては、樋の先端が最も厳しい部分になる可能性もあります。
B4号物件に昇降機設備が計画される場合、建築物の確認申請書に、当該昇降機設備の関係図書を添付して、申請することとなります。

Q12 テキストp36 6−2 右図 (構造用合板t=25) この構造用合板t=25と図示の意味が分かりません。また耐力上成り立つのか?
A12 出版元の第一法規に確認したところ、構造用合板t=25の表示は誤植で、正しくはタル木45×90(ホ−ムペ−ジに訂正を掲載する)とのことです。

TOP