日々の仕事と生活を通して「建築」を見つめていらっしゃる皆様に、当「県央支部」として少しでも役立つことを考えております。
ひとくちに「建築」といいましても実に幅は広く奥行きは深く、むずかしい。その建築へのたずさわり方には様々な形があります。「設計」「施工」「行政」「研究」等々があり、それぞれの関わり方によって「建築士」という資格の生かし方が異なるでしょう。
県央支部として、これからの充実発展を考えると、会員同士がどのような交流をし研鑽をしてゆけるかにつきるので様々な企画に参加することを心掛けていただきたい。
会員の方へ
‘ 影’:珪藻土の壁に映る。
上:海老名市街地を調整地域からみる
下:大山と田
建築基準法改正に伴う確認申請上の混乱は、今や社会問題となった。そこで建築士会として会員の皆さんの「何が問題なのか?」をまとめ、検証しています。その第一歩として下記の「要望書」を神奈川県建築士会を通じ「社団法人 日本建築士会連合会」へ提出します。
さらに問題点に気がつかれましたならば支部長へご連絡願います。
要 望 書
平成19年10月4日
神奈川県建築士会県央支部
支部長 東 二郎
下記に会員の方の意見を列記いたしました。よろしくお願いいたします。
【要望事項】
1.建築確認申請料として「構造計算適合性判定料」を申込時点で支払っていますが、構造計算適合性判定の前段階にて不適合の判定になり、申請を一旦取り下げることになりました。
判定手数料は戻りません。構造計算適合性判定段階で不適合になり、再提出になったのであれば、致し方ないと思いますが、手数料をこのように支払っていたのでは、たまりません。手数料の支払方法を考慮していただきたい。
2.施行規則1条の3で求めるものの表現が曖昧すぎるので、十人十色の審査をされるので困る。具体的に用意するものを統一して、明記していただきたい。
3.性能の有無を確かめるのに、製品を限定しなければいけないのがおかしい。
4.構造計算書作成について、要求されている提出書類は計算書のみならず、使用材料の認定品に対しても別添資料を添付するとのことで認定品の意味がない。
計算書についても、計算書に記載されている各計算結果を図示することになっており、素人の方に確認業務をお願いしている感じがします。構造計算書の作業量が膨大となり大変です。
電算入力データの各階伏図、全軸組図の添付で可能ではないかと思います。
提出書類の軽減を要望します。
5.三方スリット壁の開口位置が数センチずれることは大きな問題でしょうか。
6.申請時に訂正や差し替えを認めない事が、大きな問題であると思います。
法の施行で一挙に手続きが変わったが、当事者(申請機関)の不慣れや杓子定規な対応等で時間が掛かりすぎる。
法解釈や技術指針の把握に時間が掛かるのは当然であり、差し替え等を認めない限り申請の停滞がしばらく続いてしまう。
7.申請手続き上の訂正等の履歴は残す必要があるのか、申請時計算書(図)と追加説明書(大量)が残ると先々サンプルチェック等の時、分かり辛くなると思うのですが、一貫した最終的な計算書(図)のみ残す方が良いのではないか。
8.概要書の様式が、参照ページ、応力図、検定比図等細かな部分まで書式を規定しすぎで、建物によっては明らかに必要のない項目も省略できない。
(例えば長期応力は明らかに小さく建物の安全性に影響が無くても長期検定比が必要ですか)
構造設計したものが、適切に判断し必要なものを概要書にまとめる程度で様式を規定する必要はないと思います。
9.変更申請の迅速化をしてほしい。
申請と窓口が同じためたわいのない変更も時間が掛かり現場の工程に大きな影響が出てしまう。
軽微な変更の範囲を拡大するか、変更申請専門の機関を作る等考慮してほしい。
鉄筋1本増やすのに、構造設計者の裁量で処理できないシステムはバカにしている
のではないか。責任は今まで以上に要求するが、軽微な判断も認めないのか。
10.設計は個人の能力の範囲で判断している部分や実績で進めてる部分が多く、これを万人に分かりやすく説明するのは手間が掛かり負担も大きい。
11.構造計算適合性判定で同等以上の能力があり適切に当該建物の設計が短時間で把握できるか疑問がある。マニュアル通りの判定しか出来ず設計の制約がされてしまうのではないか。
まだいろいろありますが思いつきません。構造屋は信用できないので法で縛るでは、やってられませんね。
12.まず、周知徹底が行われていなっかったため、各確認機関での法令等の解釈の違いから、求められるものがバラバラな状態です。
13.「構造計算によって建築物の安全性を確かめた旨の証明書」において構造設計者は、事務所所在地だけでなく、住所まで記載するようになっており、個人のプライバシーに関して問題が有るため、構造設計を現在請けるつもりがないのが、現状です。耐震診断及び補強設計のみに特化することも視野に入れております。
14.国交省の対応の遅れから未だに大臣認定プログラムが存在しない状況であり、そのために確認の期間が70日となり異常な状況である。
15.告示の1206号の改訂設計料が示されていない状況では、施主に作業量の増大を理由に設計料の値上げを説明しても認めてもらえない。実際に作業量は改正前の2倍を超えるような状況になっている様です。
16.構造計算書を解りやすくすると言うのは、今までのマンションの改修等で構造計算書を確認しよとするとプログラムの出力のみで理解しにくいというのがかなり多かったので、良いことであると思いますが、概要書等作成書類の増大によりうんざりしております。
17.仮定荷重の算出において1㎝モルタルの厚みを大きく扱っただけで、安全側の解釈でありながら不整合として扱われた物件も有るようです。
18.改正前は、施工業者からの検討結果によりより良いディテールで納まりを現場にて施工者と設計で検討して変更することが出来、このことが瑕疵のトラブルを減らして来たと思いますが、これも変更として工事を中断して、申請することになっており、設計図通りの施工を施工者が細かい検討を行うこともなく実施される様に思います。今回の改正をスムーズにするには、今までのように意匠・構造・電気設備・機械設備で行っていた確認申請時の設計(基本設計と呼んでもよいかな。)に施工者も決定し施工も加わった実施設計を行ってからの確認申請と言うシステムを構築してからでないと無理と思います。一つの案としては、今までの確認申請を基本設計確認申請とし、大きな誤りの無いことを確認し、工事施工者が決定した段階で工事着手前に工事着手確認申請(実施設計確認申請でも良いのかも。)で、認定書の提出や杭の施工誤差や梁のスリーブ補強等への対応を含めた許可とすべきでは無いかとおもいます。
19.申請が図面間や構造計算書との不整合で却下されて再申請となった場合には、申請料は誰が負担するのか?立場が弱く設計料も安い構造設計者が「おまえが間違えたのだから負担するのは当然」と言われたら、設計をしてお金を払う(受注金額から申請料を引いたらマイナスになる。)なんて言うことにもなりかねません。これでは、新築の構造設計を続けて行く気にはなりません。